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発熱の読書

牛は本の虫。
朝から寝る直前まで、晴れの日も雨の日も、熱のあるときだって本を手放しません。
ヒツジはそのあらすじ聞き係と、その中から面白そうなものをちょこちょこ読むだけ。


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 咳も喉痛も風邪声もなく3日間ほど37~38.8℃を上がったり下がったり、4日目に病院へ行き西洋薬を飲んだとたんに喉が痛くなり咳が出て風邪声になるという不思議な風邪?を体験しました。3日ほど高熱が続いたのであえて薬で菌を殺さなくてもいいかな、と思ったのですが。
 その間に読んだ本の抜き書きです。



『人が見たら蛙に化れ』
村田喜代子著 朝日新聞社
「夏の行方」から
「ふつうの女たちって、どうしてあんな物を買って喜ぶのやろ。目がないというのはつくづくつまらん人生やと思うわ」
 と冷ややかな顔をした。
「美しい物を一生知らなくても、それなりに生きていける。あたしには想像もできん人生やけど、知らないなりにそこそこ楽しんで終わるのやろね」
「当たり前や」
 飛田は笑った。



『村田エフェンディ滞土録』
梨木香歩著 角川文庫
「十馬」から
――さっきと同じ質問をある人にしたことがある。
と呟いた。
――同じ質問?
――人の世は成熟し頽廃する、それを繰り返してゆくだけなのだろうかと。
――ああ。
――その人はこう答えた。「ええ、いつまでも繰り返すでしょう。でもその度に、新しい何かが生まれる。それがまた滅びるにしても、少しずつ少しずつ、その型も変化してゆくでしょう。全く同じように見えていてもその中で何かが消え去り何かが生まれている。そうでなければ何故繰り返すのでしょう。繰り返す余地があるからです。人は過ちを繰り返す。繰り返すことで何度も何度も学ばねばならない。人が繰り返さなくなったとき、それは全ての終焉です」と。



『志ん朝の落語2 情けは人の‥‥』
古今亭志ん朝 京須偕充編 ちくま文庫
「刀屋」から
――ええ。まあ歳をとってくるってえと、いろいろとね、世の中のことが少ォしずつわかってきます。ええ。人に意見のできる年頃てえのはなりたくないが、なってみると、ああ、じゃア今度ァ(意見を)しなきゃならないなと、こう思うもんです、ね? え、ですから、ええー、まあ昔っからよく言いますよねェ、え、「亀の甲より年の劫」。え? あたしに一言、話をしてごらんなさい。相談に乗りましょう。



『荒廃する世界のなかで』
トニー・ジャット著 森本醇訳 みすず書房
「不安と混乱のさなかにある若者たちへ」から
 今日のわたしたちの生き方には、何か途方もない間違いがあります。わたしたちはこの30年間、物質的な自己利益の追求をよしとしてきました。実を言えば、今のわたしたちに共通の目標らしきものが残っているとすれば、この追求を措いて他にありません。何にいくらかかるのか、わたしたちはよく分かっていますが、それが真に値打ちのあるものなのかどうか、皆目見当がつかないのです。わたしたちはもはや、司法的な規制や立法的な措置の必要など意に介さなくなっています。それは善いことか? それは公平であるか? それは正義に反しないか? それは間違っていないか? それが果たして社会を改善し、世界を良くすることに役立つのか? 答えは容易に見つかるわけではありませんが、まさにこうした政治的問いというものが、かつては確かに存在していました。わたしたちはここでふたたび、こうした問いを提起し直さなくてはならないのです。



『世界経済を破綻させる23の嘘』

ハジュン・チャン著 田村源二訳 徳間書店
「はじめに」から
 こうした勧めにしたがって、ほとんどの国がこの30年間、自由市場政策を導入してきた。すなわち、国営企業や金融機関の民営化、金融・産業の規制緩和、貿易・国際投資の自由化、所得減税と社会保障給付削減といったものである。こうした政策は一時的には、貧富の差の拡大など問題を生じさせるかもしれないが、最終的には活力のある豊かな社会をつくり出すので、誰もがより裕福な暮らしを送れるようになる、と自由市場政策の支持者たちは主張した。「すべての船が上げ潮に乗って上昇する」というたとえが用いられた。
 だが、これらの政策がもたらした結果は、約束されていたものとは正反対のものだった。何十年も消えない後遺症を世界に与えた金融メルトダウンは、しばし脇へおいておこう。そこへといたる前、大半の人が知らぬまに、自由市場政策はほとんどの国で経済成長の減速、貧富の差の拡大、深刻な社会不安をもたらしたのだ。そして多くの富裕国で、こうした問題は途方もない規模の信用拡大(借金のしやすさ)によっておおい隠されてしまった。こうして、1970年代以降のアメリカの賃金の停滞と労働時間の増加も、借金を原動力にした目もくらむような消費ブームに都合よくおおい隠され、目立たなくなってしまった。



『社会学がわかる事典』
森下伸也著 日本実業出版
「第Ⅰ部第5章大衆社会論①」から
《オルテガの大衆観》オルテガは大衆をこう特徴づけた。①非常に均質的・画一的、突出した個性をもたない。②何ごとにおいても他律的で、他人や世論に同調し、あるいは自分に同調をもとめる「烏合の衆」である。③理想や使命感や向上心など無縁の存在で、自分の現状に満足しきっている。④文明の恩恵が自動的に享受できるのをあたりまえと思っており、文明や伝統に対する畏敬や感謝の念、また未来に対する責任感を欠いた「忘恩の徒」である。⑤自分たちがいちばん偉いと思い、自分たちのわがままをどこでも押し通そうとする「だだっ子」である。⑥精神性などかけらもなく、物質的快楽だけをもとめる「動物」である。⑦以上のような自分たちのあり方を、何が何でも社会全体に押しつけようとする「野蛮人」である。
 こうして文明に反逆する大衆が社会の主役として台頭した結果、文明は衰退の一途をたどることになったというのがオルテガの診断である。



『山二郎全文集 上』

青山二郎著 ちくま学芸文庫
「バッハの音楽」から
 歳をとつて始めた女道楽は廃まないと言ひますが、年をとつて新しい未知の世界に入つた人間の経験は、青少年の時分からやつて来たのとは何か別のものらしい。例へば二三十年前に感激して読んだ本を、今日改めて読んでビツクリするのは何でせう。若い時読まなければいけない本もあるし、年をとつて読まないと解らない本もありますが、まアどつちがどつちだかかういう事はその人の経験によるので、はたで考へて見たつて始まらない話ですが、さうかと言つて何時までも青年でゐる訳にもいかないし、誰だつていきなり年をとつた訳ではない。年をとるには、年をとる様にしてとつたのです。だが年をとつて見ると、年をとつた様な考へ方をするだけかも知れませんが――そこへ未知の世界が現れるとどういふ事になるか。



『仕立て屋の恋』
ジョルジュ・シムノン著 高橋啓訳 ハヤカワ文庫
「5章」から
「ばか!」
 だが、そのばかは灰色の紙の後ろにはいなかった。彼はつったったまま、鍵を手にしてドアにもたれかかっていた。見つめていたのは、自分の部屋と黒いマントルピースの上の時計、三本脚のストーブ、戸棚、オイルクロス、コーヒーポットだった。そしてベッドにはいつもとちがうくぼみができていた。
 その手から鍵が落ちた。腕がだらりと垂れ下がった。彼は息を大きく吸い込んだ。それでその夜のすべては終わった。



『わたしの寄席』
安藤鶴夫著 河出文庫
「八代目・桂文楽」から
 落語家の才能の中には、うまく嘘をつくということが、なかなか大事な要素だと信じているが、文楽の芸には嘘というものがない。ないというより、嘘がつけないのである。つまり、わたしは、文楽というひとは、世にも稀なる正直者ではないかと思っている。嘘がつけず、まっ正直で、気がちいさくって、自分はすこしぐらいいやな思いをしても、みんながそれでよければ、ああよかったなと思うひとだと考える。明治から大正のはじめにかけて、東京の下町にはそんなひとがなんとも多かった。
 そんなひとが多いから、お互いに、そういう都会人のセンスで、お互いの生活を邪魔しないで、いたわり合いながら、そしてひっそりと、いかにも東京ッ子らしい生き方が出来たのである。
 戦後、とっくにそんな東京ッ子はいなくなってしまって、だから、文楽は出来るだけ自分の、まっ正直な、ひと筋の生きていき方を、他人に邪魔されまいとして、貝がそっと自分の貝がらで蓋をしめるように、その私生活を大事にしているのだと思う。



『志ん生人情ばなし 志ん生の噺③』
古今亭志ん生 ちくま文庫
「江島屋騒動」から
――だから人間というものは、出来ることしかァ出来ない。心配することもなんにもない。ただスーッと、世の中を心持ちよく、えー、生きるだけ生きて「さよならッ」てなこと言えば、それでいいんです。あー、ねえ、その間にいろいろ心配したり、苦労したりすることはねえんです。


以上文責 牛






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コメント
凄いですね!幅が広すぎます(^^)
『世界経済を破綻させる23の嘘』

これちょっと読んでみたいなと思ってました(^^)
子供に手が掛かるようになって一気に読書量が
減ってしまいました。ご主人羨ましいです
ふとん屋@五代目 URL 2011年03月03日 17:18:42 編集
ふとん屋@五代目さま
はじめまして。こんばんは。
コメントありがとうございます。
本はいちばん手軽な暇つぶしで娯楽です。雑多ですが自分のなかではそれなりに繋がりがあるようです。読んでいるときにはわからないのですが、こうやって並べてみると意識の流れがよくわかります。
『世界経済を破綻させる23の嘘』『荒廃する世界のなかで』の2冊はともに「この30年間」について語っています。極東の小さな島国にとって、この30年間はどんな年月だったのだろうと考えさせられました。
これからの10年、20年、30年…。オトナと呼ばれるヒトビトは、本気で子どもたちにとって何がシアワセなのかを考え、行動していかなければいけない時期だと思います。
牛 URL 2011年03月04日 23:14:27 編集

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